音って何者?

まず音を扱う前に音に関する基本的な情報を知っておきましょう
知っていると、いざという時に非情に役に立ちます


音というのは「音波」なんて単語があるように、波です
水だったり空気だったり板だったり糸だったり
あらゆるものが波として振動することによって音になります
紙コップに向かって「あ〜」と言ってみると紙コップが振動しているのが感じ取れます
糸電話なんかも典型的な例ですし
スピーカーなんかも音が出ている時に触ってみると振動しているのが分かります


さて、波というのはグラフのようなもので、2つの情報を持っています
その2つの情報に添って描かれた波の形が声だったり楽器だったりの音を区別させます

上の図を見ながら読んでください
まず音の大きさと書かれた縦方向ですが
より大きく波が振れている方が音が大きく、反対に振れ方が小さいと音が小さくなります
赤で書かれた範囲を見ると、「音が小さい」と書かれた部分の波は全体的に振れ方が小さく
「音が大きい」と書かれた部分は振れ方が大きいですね

次に横方向(音の高さ)です
波の幅を見た時に、幅が狭いと音は高くなります
反対に幅が広いと音は低くなります
これも緑文字の部分を見比べるとわかりますね

ここで大事なのは、実際の声や音楽等の音はこんなシンプルなものではありません
例えば音楽を例にとりますと、歌も聞こえればピアノも聞こえればドラムも聞こえれば・・・
様々な音が飛び交っています
これらの音の波は全て耳に伝わるまでの過程で合成されています
大きな音も小さな音も、高い音も低い音も
様々な音が合成された状態で耳に届いているわけですから
その波は複雑きわまりないものになっています

これを踏まえて音質という面を考えてみます
俗に言う音質を表現したもので「44.1KhzのCD音質」とか見たことありませんか?
これは44.1Kつまり44100hz
一体これは何を表わしているのか?と言いますと・・・
1秒間にどれだけの波を描かせることが出来る情報量を持っているのか
ということです

ややこしいですねw
何かの観察記録をとるのをイメージしてみてください
1日置きにとった記録と半日ごとにとった記録とでは
どちらがより精密なデータになりますか?
つまり、1/44100秒に一回、どんな波なのかという情報を持たせたデータ
と考えるとわかりますね
8Khzの情報量と比べると
実に5倍以上もの情報量を持たせているわけですね

これがつまりなんなのか?というと
よりクリアでリアルな音を伝えるためには
こういった情報量が大事な要素になってくるということです

情報量を減らせば、確かにデータも軽くなるわけですから
快適にはなるかもしれませんが、音質という面からみると、いいことばかりではないんですね
時折、「こうすると軽くなるんだ〜」
なんて、サンプリング周波数(先の説明の情報量)を減らしている人を見かけることもありますが
ネットでの音声配信は
配信時に少なからず自動的にその情報量の制限が加えられてしまいます
意図している音よりも音質の悪いものが配信されるのに
音質が悪化する前に配信側が更に悪化させてどうしましょう?

詳しい説明は省きますが、音はデジタル化(PCの中ではデジタル化されている)される段階で
少なからず波形が少し狂います
ほんのわずかですが、デジタルに変換する過程で避けて通れません
情報量を減らすと、その狂いが顕著に現れます
なので音というのは、病むを得ないギリギリまで高音質を求めることで
よりクォリティの高い音を届けることができるようになるわけですね



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