第三回教室のコツとポイント

さて、今回の教室では、「和音を転回する」という
授業開始からわずか2回目で早くも最初の難関を迎えました
しかしながら、鍵盤弾語りで、スムーズで綺麗な演奏を行う為には
この難関は避けて通ることはできません
では、今回のコツとポイントを復習していきましょう


和音の転回って何?

和音の転回というのは、和音の中の音をもう一つ高く弾いたり低く弾いたりすることで
スムーズな演奏を行えるようにするために行われる作業のことです
実際に例を出してみてみます

下の図は、C→Gとコードが進行しますが
はっきり言って・・・瞬時に移動するにはちょっと遠いですね

では、転回してみましょう
下の図では、低いソの音をもう一つ高いソに移動しています
すると・・・Cからの手の移動がほとんど無くなりましたね

これが転回です
やってることはすごく単純で簡単なのですが・・・
問題は、それを楽譜をみた瞬間、瞬時に行わなくてはいけないことです

このような低いソともう一つ高いソや
低いソとさらにもうひとつ低いソのような関係をオクターブと言います
これは非情によく使われる単語ですから、頭に入れておいて損はないです
そのオクターブも低いドとそのひとつ高いドならば1オクターブ
低いミとそのもう二つ高いミならば2オクターブ
という具合に頭に数字をつけてその距離を表わします

本題に戻って、この転回した形も全て覚えないといけないのか?
答えは「3割ほどYES」です
かといって、膨大な組み合わせのある転回系を全て暗記するなんて
なかなかできることではありません
なので、瞬時に判断し演奏できる方法を訓練すると考えるべきでしょう

この教室ではその方法を紹介します

●2つの形だけ覚えること!
●覚えるコツはルールを決めて演奏すること

では実際にやってみましょう



上の図の2つの例はCコードを転回させたものです
前回のレッスンで、「Cとかいてあったら、親指がCで一個飛ばし」だといいました
今回はそこに別のルールを2つ追加します
「Cと書いてあったら中指がCで親指と小指は上図の1つ目の形」
「Cと書いてあったら小指がCで親指と人差し指(中指でも可)が上図の2つ目の形」
これだけです

ルール1: 楽譜に書かれたアルファベットを親指で弾く場合、一つ飛ばしで弾く
ルール2 楽譜に書かれたアルファベットを中指で弾く場合、上図1例目の形
ルール3 楽譜に書かれたアルファベットを小指で弾く場合、上図2例目の形


前回と同様に、それぞれの形で演奏してみて下さい
慣れてきたら、基本的にルール1だけど、Gコードだけはルール2で弾く
という具合に、自分で組み合わせを適当に決めながら弾いてみます
そうしているうちに勝手に頭に入ってしまいます
大事なのは、練習だと思わないことです

「僕(私)ピアノ弾いてる〜!!!すごーい!!」
と酔いしれながら弾いてください(冗談抜きにw)

そして鍵盤弾語りに限らず様々な事に共通して言えますが
「このぐらい簡単じゃん」
と思ってください
簡単だと思っていると、不思議と本当に簡単にできるようになるものです



上の図で3つのコードの転回した例を紹介していますが
同じ手の形のままで弾けるのがわかりますね

和音というのは、実は基準になる音とそれ以外の音との距離の組み合わせなのです
なので、同じ距離を持つ和音は、基準をずらしてもやっぱり同じ距離なので・・・
演奏する場合の形は全く同じになってしまうんですね
(この余談は覚えなくていいです))


応用の習得方法



そこまで出来たら、今度は違った形のルールを付けます



それが上の図のようなルールです

これは単に、手をほとんど動かさなくても良いような組み合わせを
自分でルール化しているだけです
CとAmでもGとEmでも
このルールは簡単に自作できます
このようなルールを決めた演奏を楽しんでいると、嫌でも身に付きます
身に付いたら、あとは自由に弾きまくって下さい
ルールなんて作らずに
それこそ、Cの基本形からはじめて、Cの転回形で終わってみたり
なんてことも自由にやってください



なるほどーと思いながら練習しているうちに・・・
練習曲はどんな転回でも弾けるようになっているはずです
そして・・・練習曲じゃない曲も・・・あら不思議・・・弾けますw

それでは、ここまで出来た人の力試し用の楽譜を用意してありますので
即興で演奏してみてください

きっとできるようになっているはずですから

力試し用の楽譜はこちら